村長コラム:今年も口うるさく(令和4年2月)
お知らせ
年初最大の行事「成人式」が今年も無事に終了しました。ここで述べる式辞は、私にとって最も気合の入る仕事の一つ。オジサンのあいさつなど退屈極まりない時間とは認識しつつ、一堂に会した若者に村長の思いを伝えられる、恐らく最後の機会。全力でエール(説教)を贈らせていただいています。一貫して彼らに伝えているのは「情報を持つことの重要性」についてです。
成人式の翌日、東洋経済オンラインに刺激的なタイトルの記事が投稿されました。「昨年度も180万部減、全然止まらぬ『新聞衰退』の末路」。新聞発行部数は2001年に過去最高5368万部に達したのちに下降傾向となり、近年は5年連続で100万部超減少し、今や全盛期の約4割減となる3000万部にまで落ち込んだ…との内容です。
ところが、デジタル化に力を入れる日本経済新聞は18年から電子版の購読者が急増し、特に20代や女性の会員が目立つといいます。一方で活字から離れ、他方で活字を取り入れる人がいる。心配なのは、情報を持つ者と持たざる者の格差が急激に広がっているのではないかということです。
当初の新型コロナウイルスが異常に恐れられたのは、それが未知のウイルスであったから。政治に興味を持てないのは、それが未知の世界だから。地球温暖化が進むのは、過度な利便性追求のリスクを自覚していないから。恐怖に打ち勝つにも、世の中と関わりを持つにも、健康で文化的に穏やかに暮らすにも、情報は大きな助けとなります。
本当に大切なものほど向こうから歩んでは来てくれません。情報も同じ。価値ある情報は、自ら取りにいかねば得られません。しかし、意識を向ければだれでも入手可能です。説教じみたコラムで恐縮ですが、今年もお付き合いいただけますと幸いです。