村長コラム:奇跡のカムバック(令和4年3月)
お知らせ
4年に1度の夢舞台、北京2022オリンピックが幕を閉じました。素晴らしいパフォーマンスにため息をもらし、運命のいたずらに見舞われた選手の悲哀に言葉を失い…。コロナ禍で様々な制約を受けた中、この一瞬のために積み重ねた年月と苦労を思えば、選手たちには崇敬の念を抱くばかりです。
そして、中札内村民は今大会も"当事者"としてこの五輪を楽しませてもらいました。スピードスケートで押切美沙紀さんが3大会連続の出場を果たし、自己ベストで入賞するなど最高のパフォーマンスを披露。2010年バンクーバー大会で石澤志穂さんが本村初のオリンピアンとなって以来、私たちはこの幸せを享受させてもらっています。人口わずか4千人足らずの村にとって、大変な幸運といえます。
しかし、前回の平昌大会後、押切さんが歩んだ道程は起伏の多いものでした。故障の影響を引きずって思うような滑りをできず、スケートから離れたときもあったといいます。ご家族をはじめ、復帰を信じて待ち続けた関係者の思いが支えとなり、再起を決意。2年におよぶブランクがありながら、本格復帰初戦の全国大会で優勝。五輪日本代表選考会では一発勝負の重圧下で5千メートルの国内最高記録を更新し、念願のステージへ奇跡的なカムバックを果たしました。
トップアスリートゆえに彼女が味わった苦悩は想像を絶するものだったはずですが、輝きを増したその笑顔がこの4年の成長をうかがわせました。今五輪を通し、感動とともに、信じることの大切さや努力の尊さを教わりました。村民を代表して感謝いたします。古里・中札内村もあなたのように、明るい未来を信じて歩みを重ねてゆきます。