村長コラム:伝説のスピーチ(令和4年8月)

お知らせ

 「直し方を知らないのなら、壊すのはもうやめてください」「私たちを愛していると言うのなら、どうか行動で示してください」

 これは、1992年にブラジル・リオデジャネイロで開かれた地球サミットで、当時12歳の少女セヴァーン・スズキが行ったスピーチの一節。感動的な彼女の演説は、動画が世界中に拡散、英語学習素材としても活用され、多くの人が知るところとなりました。

 それから30年。SDGs(持続可能な開発目標)、ゼロカーボンなどの言葉が世に浸透し、環境保全への意識はかなり高まったと実感します。しかし、汚れた川にサケを呼び戻したり、絶滅した動物を生き返らせたり、砂漠化した森を元に戻す方法は、いまだ確立していません。

 演説当時に発展途上国と呼ばれていた国々は急速な成長を遂げ、利便性を追い求める大量生産・大量消費の経済活動はさらに進行しました。結果、地球温暖化により災害はより苛烈さを増し、大規模な干ばつが食料生産に影響を与え、森林火災がコアラなどの動植物を死に追いやり、大量のプラスチックが海を漂うようになりました。

 地球温暖化がさらに進んだ世界を、我々人類は経験していません。シミュレーションでは、想像を絶する異常気象とそれに伴う水と食料の不足、生態系変化による絶滅生物の増加、伝染病被害の拡大等が挙げられ、その影響は広範かつ危機的です。さらに今、ロシアのウクライナ侵攻により世界情勢が激変しています。特に、資源を持たぬ国に暮らす私たち日本人は大きな岐路に立ちます。
 目先の利益にとらわれず、未来を見据え、考え抜き、行動し続けたい。30年を経て伝説のスピーチと向き合い、「美しい村」の住民としての決意を新たにしています。


セヴァーン・スズキの伝説のスピーチは国連広報センターのユーチューブチャンネルで、日本語字幕付きで閲覧できます。

セヴァーン・スズキ演説動画のキャプチャ画像

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中札内村役場