村長コラム:ロバと老夫婦(令和4年11月)
お知らせ
プロ野球全日程が終了しました。ヤクルト・村上宗隆選手の日本人最多本塁打記録更新、オリックスのペナントレース最終日の大逆転優勝など、ファンにとっては話題に事欠かないシーズンとなりました。
とりわけ北海道民の関心を集めたのは、ビッグボスこと新庄剛志氏の日本ハムファイターズ監督就任であったかと思います。「優勝なんか一切、目指しません!」と発言した1年前の就任会見にはじまり、常識にとらわれない采配や選手起用、奇抜なファンサービスなどでメディアを賑わしました。
その話題性に反してチームは9年ぶりの最下位に沈み、結果の伴わぬ「新庄流」に批判の声は少なくありませんでした。かくいう私も、試合中継を見てケチをつけたことは一度や二度ではありません。全選手の一軍登録を公約に掲げるなど、新庄監督が当初から今季を「トライアウト」と位置付けていたことは承知していたはずなのに…。首位打者の松本剛外野手をはじめ実力を開花させた選手が多々おり、活力あふれるチームは、随所に見所がありました。
イソップ寓話が元ネタとされる「ロバと老夫婦」の話が近年、SNSで話題です。「すべての人を納得させる難しさ」が主題で、物事の意味は見る者により異なることを上手く表現しています。「何をしても必ず反対者はいるのだから、自分の道を進むべき」との論点でこの作品を引用する方が多いようです。
ファイターズファンとしての未熟を自認する私は「悪い面に心を奪われず、良い面にも目を向ける」ことを教訓とします。視野を広く持ち、他者への敬意を忘れない。そんな気持ちのゆとりこそが、深刻化する社会分断の歯止めとなるのですから。
▼様々な言語に翻訳されて共有される「ロバと老夫婦」
(原作:ナイジェリアの風刺漫画家Mike・Asukwo氏)

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