村長コラム:幸せになる心得(令和5年2月)

お知らせ

 中札内村の年始は好天に恵まれ、穏やかな滑り出しとなりました。昨年は種々の社会不安に見舞われ落ち着かない一年でしたが、2023年は爽やかで広々とした十勝の青空のごとく、村民皆さまが幸せな気持ちでお過ごしになることを願っています。

 幸せといえば、日本経済新聞の連載コラム「優しい経済学」に目を引く記述がありました。著者である京都大学の柴田悠人間・環境学研究科准教授いわく「幸福感を求める人は、幸福感を得られない」のだそうです。幸せの追求こそが人生の目的と考える人は多いと思われ、何とも意外な見解です。

 米カリフォルニア大学の実験によると、幸福感を得たいという意識の高まりは、その期待感からか物事を否定的に受け止める心理状態につながり、孤独感の増大まで招くとのこと。幸せに関しては別の大学の調査も興味深く、世界で最も幸せな国と評されるフィンランドの国民に、自分の幸せの度合いを毎日評価(意識)させ続けると、数週間で幸福度が低下し始めたとの結果が得られています。

 柴田准教授は、幸せを追い求めて不幸になる皮肉な結末を避ける心得として、目先の物事に一喜一憂しない、自分の利益だけを追求しないことを上げます。言い換えれば、良いことも悪いことも未来には帳尻が合うとゆったり暮らし、自分以外の他者の幸福を視野に入れる利他的な姿勢を重視するということです。また「幸せ」を追う代わりに、人生の目的として「生きがい」を持つことが大切とも訴えます。

 「生きがい」の多くは他者、すなわち「社会」とのつながりを必要とします。健康と文化という普遍的な価値を重視する美しい村づくりを通し、中札内村は今年も社会とつながる多彩な”窓”を提供していきます。引き続き、よろしくお願いいたします。

笑顔の人々

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