村長コラム:恐るべき対話力(令和5年5月)
お知らせ
昨年11月に一般公開されるや、その驚がくの機能が注目され、わずか2カ月で世界の1億人以上が利用するまでに普及した人工知能技術「chatGPT(チャットGPT)」。あまりに便利過ぎるこの無料サービスについて、議論が過熱しています。
チャットGPTは、アメリカの新興企業が開発した生成系と呼ばれる人工知能(AI)。こちらの質問や相談等に対し、恐るべき速さで、多彩な単語や表現を駆使しながら、滑らかに文章を紡いで対話します。英語はもちろん、日本語も見事に使いこなします。
先日、デジタルメディア関係者と意見交換した際、一部の記事はチャットGPTに書かせていると聞き、驚きました。試しに私も、チャットGPTの上手な使い方について?本人”に記事を書かせてみたところ、1分と経たずにまとめ上げてみせました。完璧過ぎる内容で面白みには欠けたため(笑)、このコラムへの採用は見送りました。
チャットGPTを使えば『様々な情報や知識を簡単かつ効率的に得ることができる』(※″本人”記事から引用)ため、リポート作成時での学生の使用を規制する学校も。京都大学では入学式で「文章を書くことは精神力と思考力を鍛える」などと呼びかけ、学問への安易な利用に警鐘を鳴らしました。
クジラが足を、深海魚が目を失ったように、使わない機能は退化します。思考が言語を用いて行われる以上、過度の依存は間違いなく考える力の低下を招くでしょう。一方、飛行機やインターネットが人間の社会活動の幅を劇的に広げたように、AIは自動運転や医療・福祉の支援など様々な社会課題の解決に役立ちそうです。便利さに溺れず、自分に負荷をかける大切さもしっかり意識しながら、未来への歩みを進めたいものです。
▼チャットGPTとのやり取りの一例。平気で″嘘”もつきますので注意を。中札内村のことを知ってもらえるよう今後も努力します。
