村長コラム:恩返しは美しい村づくり(平成30年11月)
村長の仕事の役得ともいえるのが、さまざまな分野の人たちとの出会い。見識が深まり、視野が広がり、外からの視点は中札内村の魅力の再発見にもつながります。
お会いした人の中には観光関係者やアーティストも少なくありません。そして、彼らの多くが口にする中札内村の印象があります。
「文化的な薫りの高い村」、「創作意欲を掻き立てられる村」嬉しい言葉です。日本で最も美しい村の推進にあたり、大いに励まされます。
本村の文化的イメージ向上の背景には、いくつかの要因があります。景観の美しさや清らかな水、20年にわたる全国絵画公募展「北の大地ビエンナーレ」の開催…。しかし、何より大きな推進力となったのが、全国ブランドの製菓会社「六花亭」の存在です。
本村とのご縁は1992年の「中札内美術村」の開業。2000年には同社から2千本の桜の寄贈を受けた「桜六花公園」、07年には「六花の森」が整備されました。どの施設も本村に文化的な彩りを添え、時を重ねるごとに魅力を高めています。また、相原求一朗美術館開設をきっかけに埼玉県川越市との交流が生まれるなど、同社の事業はまちづくりにも新たな息吹をもたらしてくれました。
六花亭亭主・小田豊さんは、発売後の商品であっても常に品質向上を目指すなど、その妥協せぬお菓子作りはつとに有名。そのような六花亭が、この中札内村で様々な取り組みを展開する意味は何なのか。同社を代表する銘菓・マルセイバターサンドの製造地であることを含め、私は本村の恵まれた環境に感謝の念を抱き、とても誇らしく思うのです。
芸術家が立ち寄りたくなるような景観の維持や音楽を核とする芸術の村づくりを力強く進め、全国に胸を張れる美しい村へ。それこそが中札内村を愛し、応援してくれる人たちへの恩返し。皆さんとともに前進させます。