村長コラム:コロナが示唆する中札内村の可能性(令和3年4月)

 新年度が始まりました。つい最近、似たような書き出しのコラムを執筆したばかりに感じられるほど、この一年の流れは怒涛の如きものでした。その主因は、やはり新型コロナウイルスの感染拡大にあるのでしょう。マスク着用が日常になり、毎年恒例の出張などもなくなり、日常の季節感が希薄になったことの心理的影響が大きかったと思われます。

 一方で、村政運営においてはプラスに働いた面もありました。一つは、会議等のオンライン化により、遠く離れた人との意見交換や情報収集が容易になり、労働生産性が向上したこと。次に、時間にゆとりができ、中札内村の課題や未来をじっくり考えられたこと。また、日常生活や経済の危機的停滞は、そこを打破しようとする人たちの動きを活性化させ、新たな出会いを得られました。

 この間に確信したのは、地方の持つ潜在力の大きさです。多くの人が、都会で密に暮らすリスク、デジタル社会の進展で「都会でしか手に入らないもの」の急減に気付きました。コロナ終息後も新たなパンデミックの発生は避けられないと指摘されており、地方で暮らす幸せへの理解が広がっています。

 中でも、空港が近く交通利便性の高い中札内村は優位です。持続的であることが重視される昨今、70余年にわたり培われてきた有機農業の村、花と緑とアートにあふれる「美しい村」というブランドイメージは、大きな強みとなっています。今年度中には日高山脈襟裳国定公園が国立公園の指定を受ける予定であり、追い風も吹いています。

 これからも困難は続くかもしれません。でも、しっかり前を見据える春にしたいものです。本村が磨き上げてきた資源は、多くの実りをもたらしてくれるはずです。

令和3年度中にも国立公園として指定を受ける予定である日高山脈襟裳国定公園

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