村長コラム:勝手に働く脳(令和4年6月)
最近のお気に入りのテレビ番組が「ヒューマニエンスQ(クエスト)」(NHK総合、毎週水曜午後11時)。様々な角度から人間を科学的に探究する深夜の情報番組です。人類の″天敵″であると思われているガンとウイルスが実は生命誕生や進化に不可欠であること、味覚や視覚、嗅覚など別個の脳のように機能する皮膚の重要な役割など、驚きに満ちた内容です。
最も興味をひかれたのが、脳の不思議な働きに焦点を当てた第5回放送「″自由な意思″ それは幻想なのか」。実は脳の活動のうち、いわゆる意識と呼ばれるものは氷山のほんの一角で、大部分は自分で気付くことのできない無意識下のもの。自分の意志で決断し、選択し、行動したと思っていた多くのことが、無意識の脳から勝手に生み出された可能性があるのだそうです。
休みなく働く脳は膨大なエネルギーを消費するため、生存戦略として省エネを図り、活動を自動化(習慣化)していきます。ほぼ意識せずに、歯を磨いたり、家の鍵を閉めたりできるのは、その一例。「家を出るときに鍵を閉めたかな?(実際は閉めた)」という不安を経験した人は多いと思いますが、まさに自動化した脳活動の証左といえます。
脳が働いた結果である思考や行動は、その良し悪しを問わず自動化する傾向にあります。良い習慣(健康づくり、社会奉仕、趣味を含めた生涯学習等)は脳への刺激が多く、新たな意欲へと枝葉を広げていく一方、それに反するような悪い習慣は脳活動を単純化させ、意欲を減退させ…を繰り返す負のらせんに陥(おちい)りがちです。
今年度も中札内村の「健康ポイント事業」が始まりました。良い習慣を獲得する好機です。今回、特に呼びかけたいのが、一度挫折した人の再挑戦。あきらめた時の決断は、自動化した脳の勝手な働きのせいかもしれません。気楽にご参加ください。
写真説明=脳の機能アップのために健康ポイント事業をご活用ください

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