村長コラム:惰性は伸びしろ(令和5年8月)
マンネリは最高の娯楽です―。新聞コラムで目にしたプロサッカー選手・三浦知良氏の言葉に思わずひざを打ちました。
三浦氏は私と同じ56歳。Jリーグ開幕以来、今も現役を続ける唯一の選手で、「キングカズ」の愛称にふさわしい日本サッカー界のレジェンドです。ゴールを決めた際に繰り出すカズダンス等のパフォーマンスやファッションから奇抜な印象を受けますが、私生活は実に保守的なのだとか。
足を運ぶ飲食店、そこでオーダーするメニュー、カラオケの選曲に至るまで、いつも同じ。自主練習の基本メニューですら20年以上変わっていないと言います。ただ、トレーニングに関しては、その効果を常に意識し、マイナーチェンジを重ねているとのこと。例えば20回の腕立て伏せを日課としたとき、「つらいから早く終わらせよう」と考えるのか、「大胸筋を鍛えたいからしっかり負荷をかけよう」と意識するのかでは、その効果は雲泥の差です。惰性の行動で得られるものは少なく、何のための行動かを考えることが成長に不可欠なのです。
冒頭の三浦氏の言葉に共感したのは、私も最近、歯科検診で、意識することの重要性を実感したから。きっかけは、左下奥歯の内側 が不十分な磨き方であったこと。医院で提示された改善策は「磨けていない部分から磨き始める」。目からウロコが落ちるこのシンプルな変化で、私の歯磨きは劇的に改善しました。常に右上奥歯の外側 から磨き始める私の流儀は無意識のマンネリに陥っており、歯を清潔に保つという歯磨き本来の目的を見失っていたのです。
皆さんの生活の中にも私のような悪しきマンネリが潜んでいるはず。ただし、それは成長の伸びしろ。宝探しのつもりで日常を見直してはいかがでしょうか?
▼歯磨き一つからでも自らを成長させられます。自分の流儀を見つめ直してください。
