開村70周年記念式典式辞(平成29年9月1日)

開村70周年記念式典

第1部:未来創造会議
  • 中札内村記録映像試写会
  • 子ども未来会議

第2部:記念式典
  • 国歌斉唱
  • 村歌斉唱
  • 黙とう
  • 村長式辞
  • 議長祝辞
  • 記念表彰

村長式辞

開村七十周年の輝かしい式典を挙行するに当たり、公私とも何かとご多用のところ、多数のご臨席を賜りまして、熱くお礼申し上げます。

中札内村は昭和二十二年九月一日、当時の「大正村」から独立して誕生しました。戦時の混乱の中で幾度も立ち消えた分村への思いは終戦とともに再び熱く燃え、地方自治法の施行とともにようやく実を結びました。

さかのぼりますと、富山県や石川県などからの移住者により未開の地に開墾の鍬が下ろされたのは明治三十八年ごろのことです。先人は厳しい気候条件と自然環境の中、数々の試練に打ち勝ち、豊かな恵みをはぐくむ肥沃な大地を作り上げ、今日の中札内村繁栄の礎を築かれました。改めてその偉業を称え、敬意を表する次第です。

そして、高度経済成長期の昭和の時代を通して、本村は基幹産業である農業の生産性を大きく向上させ、住みよい村をつくるべく、役場庁舎をはじめとする各種公共施設を完成させるなど、社会基盤の整備を進めました。しかし、平成の世となりバブル経済の崩壊を迎え、緊縮財政の波が広がり、国が主導する市町村合併論議が熱を帯びるようになりました。平成十六年、本村は住民投票の末に自立の道を選び、以後、厳しい財政事情の下、村民一丸となった取り組みが始まりました。十勝でも指折りの観光施設として知られるようになった道の駅を整備し、先進的な子育て支援策と定住促進策を取り入れ、花と芸術の薫りにあふれる美しいまちづくりを進め、小さくても個性のきらりと光る村として知られるようになりました。

さて、近年の社会情勢を見ますと、わが国の景気は長期にわたる回復基調が続き、生産年齢人口が減少する中にあっても就業者数は増加しており、有効求人倍率も高水準を維持している状況にあるといわれております。しかし、地方の現状に眼を向けますと、好況の実感が行き渡っているとは言えず、人口減少化下にあって都市部への人口流出に歯止めはかからず、担い手不足も目立っております。

持続可能な地域社会の存在をなくして、わが国の明るい未来を描くことはできません。地方創生のさらなる推進により、国民一人ひとりが生きがいを持って輝ける一億総活躍社会を実現するべく、国と地方が一体となって力強い地域経済システムを確立するための取り組みが求められています。

私たちは今、かつて先人の経験したものと異なる試練に直面しておりますが、ここを乗り越えて明日の中札内村の進むべき道を切り開いていくことこそ、今を生きるものの責務であると考えます。先人の自主自律の開拓精神を継承し、希望あふれる輝かしい十年先の未来を見据えた元気な村づくりにまい進することを心に誓うものであります。

私は、開村七十周年の意義は、過去の歩みを顧みることにとどまらず、今日まで積み重ねてきた歴史を新たな飛躍へのエネルギーに変え、次の世代が中札内村民であることに誇りを持ち、力強く一歩を踏み出すための里程標を打ち立てる契機であると考えます。多様化する社会にあって、村民福祉に資する真に住みよいまちをつくる道は、いつの時代にもさまざまな困難が横たわっております。村民の皆さまとともに村の目指すべき方向性を見つめ、一人でも多くの笑顔が広がる中札内村の具体化に努力してまいります。

終わりに臨み、今日まで村勢進展のために御尽力いただきました先輩各位、村民の皆さまの熱意とご協力に深い敬意と謝意を表します。この記念すべき七十周年を機として、さらに融和と団結の意識を高め、四千人の村民が一体となって、ゆとりと潤いのある郷土をつくるために、なお一層のご支援とご協力を重ねてお願い申し上げますとともに、皆さまのご健勝とご多幸をご祈念いたしまして式辞といたします。

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中札内村役場

総務課 企画財政グループ
TEL. 0155-67-2491