村長コラム:幸せの四因子(令和3年3月)

 「ウェルビーイング」という概念への関心が高まっています。「快適で、健康で、満たされている状態」の意味で、日本語にはピタリとくる言葉がなく、「幸せ」の訳があてられています。この「ウェルビーイング」を人間社会のシステムととらえ、「幸福学」として科学的に研究しているのが慶應義塾大学大学院の前野隆司教授。新聞連載された前野教授のコラム「幸せ中心社会への転換」に学びが多々あり、一部をご紹介します。

 世の中には、幸福に関わる「財」が2つあるといいます。一つは「カネ・モノ・社会的地位」など他者との比較で満足を得られる「地位財」、もう一つが「健康・愛情・安心」といった他者とは単純比較できない価値観に基づく「非地位財」です。得られる幸福感は前者が短く、後者が長続きする傾向なのだそう。「地位財」には米国で興味深い研究結果があり、個人所得が一定額(7万5千ドル、現在のレートで800万円)を超えると、幸福感アップとの比例が見られなくなるそうです。持続的な幸福である「非地位財」の獲得が幸せのカギを握っていると言えます。

 前野教授は、幸せに寄与する心的要因として次の4つを挙げています。
自己実現と成長=やってみよう】
【つながりと感謝=ありがとう】
【前向きと楽観=なんとかなる】
【独立と自分らしさ=ありのままに】


 逆に、ものごとに否定的であったり、利己的に過ぎたり、周囲と自分を比べ過ぎたりすることは幸福度を下げます。全因子をすぐに高めることは難しくても、【やってみよう】【ありがとう】なら何とかなりそうです。

 「美しい村」の目指すものも、まさにこの4因子の向上ではないでしょうか。中札内村らしさを磨き上げて、皆さんの幸せに貢献できればと思います。 

前野教授のブログから日本経済新聞に掲載されたコラム全文を閲覧できます。
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